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我々中小企業診断士の仕事は多岐にわたりますが、提供したサービスの証として「成果物」を作り上げることがあります。
この「成果物」、非常に厄介ものでして、ゴールがありません。こだわればこだわるほど、突き詰めれば突き詰めるほど、際限なく時間がかかります。
今回読んだ本は、この成果物をいかにして作りあげるかについて記された本です。
タイトルからこの内容は想像できません。私も違う内容を期待して購入したのですが、この内容はこの内容でとても勉強になりました。
この本でいう「シナリオ」とは、『自らが成果物を生みだすまでの考えの流れを構造的に捉えたもの』としています。一般的なシナリオの意味ではありません。
この中で出てくる「成果物」については、以下のように定義しています。
『価値の高い成果物とは、自分なりの独自性が出ていて、同時にその考えに説得力が備わっている』ものとしています。
この可能な限り優れた成果物を生みだすために、「シナリオ構想力」を鍛える必要があるのです。
シナリオ構想力は、次の手順で説明されます。
まずは、集めたデータを情報に変えます。データはデータにしかすぎず、加工して情報にして初めて価値が生まれます。
その方法として、ふたつのやり方が紹介されています。
続いて考える骨格を作るには、3つのプロセスを踏みます。
こうして作りあげた骨格に整理した情報を当てはめていき、作りあげた成果物を、どうしたら効果的に伝えることができるかまでが、この本に記されています。
成果物を作りあげるのに、正直ここまで手順を整理して作ったことがありません。作成した工程を振り返れば、これらと同じようなことはしているのですが、意識したことはありませんでした。
こうした一連の流れに従い手順を踏むことで、手戻りや抜け・漏れが無くなり、より優れた成果物を作りあげることができるのでしょう。
さて、この本を読んで、私は「因数分解」と「プロセス化」を実践します。
事柄を因数分解することで、要素を取り出すことができます。
よく挙げられる例が、「売上」です。
このように的確に因数分解ができれば、抑えるべき要素を抜け・漏れなく抽出できます。しかも、こうすると要素間の関係が明確になります。
例えば、売上を上げたいと考えた際は、「いかに販売数量を上げるか」や「いかに販売単価を上げるか」を考えればいいのです。
因数分解には、センスが必要です。要素を抽出する際に、めくらめっぽうで取りかかるのではなく、まずは因数分解から入っていきます。
プロセス化とは、時間軸ベースで一連の流れを追って必要な要素を抽出する方法です。どのプロセスに問題があるかを把握する際にも役に立ちます。
プロセス化は、始点から考えるやり方と到達点から考えるやり方のふたつがあります。
いずれにしても、やり方のコツは、自分が行動した結果、相手がどのような状態になるかを意識しながらプロセスを作りあげると抜け・漏れが無くなります。
これも、因数分解と同様、物事を考え始める時に、まずはプロセスに分解してみます。
最後に、成果物を評価するのは、受け手です。
伝える相手にとって「成果物」が、意味がある、あるいは高い価値があると思ってもらわなければ自己満足に終わってしまいます。
まずは、受け手と伝える内容の関係性を把握します。
受け手は、伝える内容についてどの程度知識があるのか、伝える内容の背景を知っているのか、伝える内容の興味の度合いはいかほどなのか。
これらによって、伝え方は大きく変わります。私達は、受け手の状況に合わせて伝え方を変えなければならないのです。
プレゼンをすること自体が目的となってしまい、自分のやり方を押し付けがちになります。
相手に理解してもらうことを目的としなければならないのです。
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